どうせやる気もないのに知りたがる人とそこそこ本気で知りたがってる人と全くそのへんについて興味がない人がいるようなので、「それは舞い散る桜のように」が未完のまま発売されたわけと今回のそれ散る完全版を俺つばと絡めて書きます。
しかし、憶測や噂も多いのでこれが真実というわけではありませんので予めご了承ください。
多少脚色してある部分もあります。
~BasiLと王雀孫~
むかしむかし、あるところに「BasiL(バジル)」という小さなエロゲ会社がありました。
割と小さな会社でしたが、原画家の「西又葵」のブレイクにより多数の信者を抱えるそれなりに人気のあるメーカーだったのです。
当時の主な社員はライターである「あごバリア」、代表の「M下F子(仮)」、音楽担当の「アッチョリケ」、サブ原画の「鈴平ひろ」がいました。
あるとき、「王雀孫(おうじゃくそん)」という新人ライターが入社してきて、「21-TwoOne-」というエロゲのおまけシナリオの担当を任されました。
当時、このゲームを買った人はこう言います。
「本編は微妙だけど、おまけシナリオは笑った。面白かった」
「おまけシナリオのためのゲームだった」
そういうわけで、この王雀孫というライターは一部で話題になり、メインライターとしての作品を期待されるまでになったのです。
そして、メーカーは「それは舞い散る桜のように」の発表に到るのです。
しかし、この時点では発表されていませんでしたが、この作品は「それは舞い散る桜のように、けれど輝く夜空のような」という非常に長いタイトルであったようです。
ユーザーは知る由もありませんがいわゆる「分割販売」だったのです。
なぜ分割されたのかはよくわかっていませんが、既に内部でゴタゴタがあったといわれています。
~それ散るの発売~
待ちに待ったそれ散るの体験版が公開されました。
これは雑誌の付録にCDROMとしてついてきたものですが、当時はそうやって配布するのが一般的でした。回線は細かったし。
この体験版は、瞬く間に話題になります。
元々のBasiL信者はもとより、なんの気なしに雑誌を買った人達がプレイして、2ちゃんねるでは小規模な祭りが起こりました。
自分はそのときのことは知りませんが、どんどん流れが速くなっていって期待がどんどんと膨れ上がっていったそうです。
一方、BasiLでは、本編が完成していないという、危機的な状況に陥っていました。(体験版が出たときには完成していたのかはわかりません)
なぜそのような状況になったかは知る由もありませんが、メインライターの王氏の書く速度の遅さと見通しの甘さだと言われています。
さらに社長のM下氏と、西又葵をはじめとする社員との対立があったようです。理由は借金とも社内恋愛であったとも言われています。(無ソース、噂だけ)
そんな中で一応の体裁が整った「それ散る」ですが、終盤は突貫工事のように短かったのです。
2002年6月28日に発売したそれ散るは当時としては大ヒットしましたが、内容については賛否両論でした。
シナリオは尻切れトンボ、終盤の内容の薄さが目立っていました。
しかしテキスト自体は他に類を見ないほど秀逸であり、王への固定ファンがそこそこついたわけです。
ここでそれ散るファンディスクと続編である「けれど輝く夜空のような(通称けれ夜)」という2作品の噂が流れてきます。
それ散るをプレイした人達はこう思います。「ああ、シナリオが尻切れトンボだったのはこういうわけだったのか」と。
~BasiLの崩壊とNavelの成立~
対立していた社長と社員は、ついには均衡が崩れました。
次々と社員が退社していったのです。もしくは、社員はクビにされていきました。
手足となる社員がいなくなった会社は、社長だけになりました。
そして社長までもが逃亡しました。いわゆる夜逃げです。
ユーザー達がそのことに気づいたのはその後でした。
OHPが閉鎖、というか消滅したのです。
けれ夜とFDを待ちに待っていたユーザー達は混乱します。
このまま終わるつもりなのか、もうけれ夜が日の目を見ることはないのか、と。
あごバリアが、同人誌の即売会で明らかにしたけれ夜の内容はこのようなものでした。
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もともと「それ散る」は「それは舞い散る桜のように けれど輝く夜空のような」という
ひとつの大きな物語の前編部分にあたる作品。後編「けれ夜」はその8年後の物語。
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どうやら、けれ夜はあごバリアがメインライターとして書く予定だったようです。
しばらくして、社長をアッチョリケとする新会社「オメガビジョン」のブランド、Navelが誕生します。2003年のことでした。
創立メンバーには王雀孫、西又葵も含まれていました。
「俺つば」の開発はそのときには既に開始されていたそうです。
後から加わったあごバリアによって、新作が作られました。そう、「SHUFFLE!」です。
西又葵の人気に加え、それ散るの評判も良かったのでかなりの大ヒット作になりました。
評判については皆さんのよく知ることでしょうし、王雀孫はほんの一部しか書かなかったそうです。(楓との二番目のHシーンがそうらしい)
~Navel崩壊の序曲(プレリュード)とBasiLの復活~
2005年、「俺たちに翼はない」の製作が発表されました。自分がそれ散るを知ったのはこの頃です。
それ散るから約2年、王信者にとっては待ちに待った新作です。
しかし、開発が進められると報じられる一方で全く発売する気配を見せず、その間に3本ものNavel作品が発表、発売されました。
あごバリア、鈴平ひろが退社し、俄かに内部のごたごたが噂されるようになりました。
BasiLのホームページが「発見」され、数量限定で生産されてプレミアがつくほどだったそれ散るのサウンドトラック、「MAKESHiFT」の再販が発表されます。
「もしや社員がBasiLに戻る気では?」などと噂されたのは想像に難くないでしょう。(あごバリアについては未だにわかっていません)
やっと俺つばの発売日が決定したのが去年の暮れ。(うろ覚え、今年の初めだったかもしれない)
もちろん、狂喜しました。しかも、それ散るの発売記念日である「6月28日」であったことも、期待の大きな要因となりました。
そして、今年の3月。
俺つばの延期、そして、「俺たちに翼はない ~Prelude~」の発売決定・・・
怒りましたよ、ええ。
~「それ散る完全版」について~
先日発表されたそれ散る完全版ですが、いくつかの可能性が考えられます。
・システム面の強化。Vistaへの対応。(最低限これはあると思います)
・元それ散るをベースに、あごバリア(もしくは全く別のライター)が書いたけれ夜を付け足した「それは舞い散る桜のように、けれど輝く夜空のような」
・あご(もしくはry)がそれ散るに手を加えたリメイク。
このへんでしょうか。ちなみに、王と西又は全くの無関係であることが西又のブログから分かっています。
自分や王儲が一番良いと思うのは一番上"のみ"です。
二番目はそれはそれで嬉しいですが、正直それ散るで十分だと思っている自分には蛇足に過ぎません。
三番目は最悪です。それ散るがそれ散るである意味がありません。これをやって面白いと思う人は殴りにいきます。精神内で。
以上が、大まかな流れです。
エロゲ会社はデスマーチになりやすいらしく、小さい会社ではこういうことは本当に日常茶飯事です。
夜逃げなんて当たり前。社長がクビを吊ることも珍しくありません。
理解いただけたでしょうか?
ようするに、王は遅筆でハゲだってことです。それでも自分は信者です。これからも(王に)ついていきます。
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